革新計画で拓く
居住支援への挑戦
株式会社エーアンドエム不動産は、熊谷市を拠点に空き家管理・売却や不動産売買・賃貸・管理を展開しつつ、住宅確保要配慮者居住支援法人として社会課題解決に挑む地域密着の不動産会社です。
経営革新計画には農業を起点とした「ミラクルタウン」構想、住宅セーフティネットを活用した居住支援事業、そして児童自生活援助ホーム(グループホーム)構想と、連続で取り組んでいます。
商工会議所の経営指導員・専門家と「まず相談」して事業計画を磨き上げてきたプロセスは、事業者の思いを形にし、補助金や認定制度を活かしながら、ビジネスと社会貢献、スタッフのやりがい向上を同時に実現する好事例といえます。

地域密着の不動産が抱えるジレンマ
株式会社エーアンドエム不動産は、熊谷市を拠点に「地域密着」を掲げる不動産会社です。売買・賃貸・管理に加え、空き家管理や相続不動産の売却支援など、多様な相談に応える体制を整え、「地域に支えられてきたからこそ、今度は地域で困っている人の暮らしを支えたい」という思いで活動してきました。専務の内山智美さんは、3人の子育てをする中で、学校行事や部活動の送迎・私生活など、多くの場面で地域の人に助けられてきたといいます。「近所で助け合う文化を復活させたい」と、「人が集まり、支え合うことで、さまざまな奇跡が生み出される場=ミラクルタウン構想」を思い描きます。
一方、不動産業の現場では、別の悩みも浮かび上がっていました。生活保護受給者や外国人、ひとり親世帯、児童養護施設退所者など、住宅確保要配慮者は、家賃滞納や孤独死、近隣トラブルのリスクを理由に、一般の不動産会社から入居を断られがち。同社は10年以上前から、そうした方々の入居を支援してきましたが、家賃単価の低さやリスク負担の大きさから、ビジネスとして成立させにくいという課題を抱えていたのです。さらに、空き家の増加も地域の喫緊の課題。相続した家の管理に困る所有者、売却か賃貸か判断できない家族など、相談内容は多岐にわたります。同社は「空き家の持ち主応援隊」(埼玉県)に登録し、管理から売却まで一気通貫で支援する体制を整えましたが、物件オーナーとの新たな接点づくりもまた、悩みのタネでした。

これらの経営課題と地域課題を同時に解決する手段として浮かび上がったのが、熊谷商工会議所の経営革新計画と伴走支援です。自社の思いを整理し、数字に落とし込み、補助金や認定制度と結びつけてくれる経営指導員・専門家の存在は事業成長のカギとなります。「経営革新計画の存在すら知らなかった」という内山さんですが、知り合いに勧められ、「農業をやりたい。ミラクルタウンを作りたい」と会議所へ相談したことから、その後3年に亘る経営革新計画策定への道のりが始まったのです。
「まず、話してみる」から始まる三人四脚
初めに取り組んだのは、不動産業と農業を組み合わせ、地域住民とオーナー、子どもたちが集うコミュニケーションの場を田んぼからつくる構想と整理。「農業を中心にコミュニケーションプラットフォームをつくる」計画として申請・認定され、埼玉県経営革新グリーン分野進出支援事業補助金を活用したトラクター等の導入につながりました。続いては、以前から続けていた生活困窮者や外国人への入居入居支援を、住宅セーフティネット制度と結びつけて本格事業化するための挑戦。居住支援法人向け補助金情報を調べるうちに、「まず県の居住支援法人認定が必要、そのためには事業計画が要る」と判明し、「こういう制度があるらしい」「よく分からないけど相談してみる」と再び当会議所へ。
この時も「やりたい。地域のために必要。まず話してみる」がスタートでした。
会議所の経営指導員は県・担当部署と調整、要件確認を行い、経営革新計画を居住支援法人の事業計画にするスキームを構築。専門家派遣で事業内容・収支計画・リスク対応を三人四脚で詰めていきました。

その結果、居住支援法人認定を取得し、県のホームページ経由の相談も増加、管理物件が満室になるなど、ビジネス面でも大きな成果に。入居者に感謝されるなど従業員のやりがい向上にもつながっていきました。
そして、現在進行中の経営革新計画は、児童養護施設退所者の自立を支える児童自立生活援助ホーム(グループホーム)と、居住支援法人事業を連携させた「行き来できるセーフティネット」の構築。自立がうまくいかない場合には再度ホームで生活を立て直せる仕組みなど、居住支援と福祉事業をつなぐ新たな挑戦が始まっているのです。
アイデアと熱意が人を動かす
経営革新計画を事業継続の為の「ツール」として活用し、地域課題と自社の成長を同時に実現する同社の挑戦は、他事業者にとって大きなヒントに。連続した経営革新計画の作成は、事業者と商工会議所の深い信頼関係の証でもあります。
支援の現場では、専門家、経営指導員、事業者の「三者協働」がカギ。同社の熱意と行動力に商工会議所と専門家が伴走支援し、未知の分野は一緒に学び、より良い方法を模索します。担当経営指導員は、企業が前向きに挑戦し続けることこそが地域活性化の土台になると考え、「やりたいことにブレーキをかけることなく、方向性を調整する手綱役に徹する」と話しています。
定例相談会は、どなたでもご利用いただけます。熊谷商工会議所は、日々の経営相談から事業計画の策定、認定取得に至るまで、継続的な伴走支援で経営者の皆様をサポートしてまいります。大切なアイデアを、どうか一人で抱え込まないでください。まずは言葉にすることから、私たちと一緒に新しい未来を描き始めませんか。次なる革新の主役は、他ならぬ経営者の皆様です。
株式会社エーアンドエム不動産
所在地:熊谷市箱田6丁目15番18号
営業時間:9:00~18:00
TEL:048-521-1604
定休日:火曜日・水曜日
Webサイトはこちら

